第6回居住支援

貧困ビジネスの実態と問題点〜悪質業者から身を守るために

生活困窮者の弱みにつけ込み、生活保護費などを搾取する「貧困ビジネス」が社会問題化しています。「囲い屋」や悪質な施設の巧妙な実態と、それらを防ぐための最新の法規制や救済策について解説します。

印鑑や通帳を取り上げる様な業者も

近年、生活困窮者や生活保護受給者の弱みにつけ込み、不当な利益を搾取する「貧困ビジネス」が大きな社会問題となっています。

その代表的な手口が「囲い屋」と呼ばれる悪質な無料低額宿泊所などです。劣悪で狭小な部屋に生活困窮者を押し込み、生活保護を申請させた上で、受給額の大半を法外な家賃やサポート費などの名目で天引きします。また、「敷金・礼金ゼロ」を謳いながら、家賃の支払いが少しでも遅れると違法な鍵の交換(追い出し行為)を行ったり、法外な違約金を請求したりする悪質な物件も存在します。彼らはターゲットの通帳や印鑑を取り上げ、逃げ出せないように支配するケースも少なくありません。

こうした事態を受け、国や自治体も対策に乗り出しています。社会福祉法の改正により、無料低額宿泊所は「事前届出制」となり、居室の広さなどの最低基準が設けられたほか、無届営業には明確な罰則が科されるようになりました。また、家賃の搾取を防ぐため、生活保護の住宅扶助を自治体から大家へ直接振り込む「代理納付」の原則化や、通帳の取り上げを禁止する自治体の条例も広がりつつあります。

貧困ビジネスを根絶するには、悪質業者を排除するだけでなく、安全な一時居所(無料ステップハウスなど)のような適正な受け皿を提供することが不可欠です。万が一、こうした業者の罠に陥ってしまった場合は、孤立せずに、すぐに居住支援法人や行政、警察などの専門機関へご相談ください。物理的な保護から法的な解決まで、ワンストップで救済する仕組みが整いつつあります。